旅は安全?難民問題がクロアチア観光に及ぼしている影響

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世界中が注目するヨーロッパへ流入する難民の問題。

いわゆる「バルカンルート」上に位置するクロアチア。ほとんど毎日のように何かしら難問問題のニュースを耳にします。

 

日本のニュースでも度々取り上げられているようですが、そんなニュースを見た方から「クロアチアには何か難民の影響がありますか?旅するには安全ですか?」という治安を心配するお声や、隣国のハンガリーやセルビアとあわせてクロアチアにも旅を・・・と計画されている方から「バスや鉄道で移動することは避けた方がいいですか?難民の影響で運行停止になったと聞いているのですが」といったご質問をちょこちょこ頂戴します。

 

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ドブロブニク、プリトヴィッツェ、スプリット、ザグレブをはじめ、旅行者が足を運ぶ都市では今のところは特に影響はありませんし、今まで通りの平和なクロアチアと全く変わりありません。また、現在はセルビアやハンガリーとクロアチアを結ぶバスや電車も通常運行しています。

 

もちろん今後、難民問題がクロアチアにどのような影響を与えるのか注意して見守るに越したことはありません が、今のところ特に観光面では心配する必要はないと言えるでしょう。

 

ですが、実は今回のこの難民問題、思わぬ形でクロアチアの観光業に影響を与えている模様。

 

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春から夏にかけてが観光シーズンであるクロアチア。特に今シーズンは今まで以上に多くの観光客が訪れることが予想されており、特にヨーロッパ諸国からの観光客は対前年比3.5~4.5%増が見込まれているのだとか。クロアチアは特にドイツ人観光客が好んで訪れる国なのですが、ドイツからの観光客に至っては約6%増が予想されているそう。

 

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昔からクロアチアは観光業が強い国でしたが、特にここ数年波に乗りまくるクロアチアの観光業。

 

クロアチアへの旅行者数が増える背景には、もちろんクロアチアのいろんな努力もありますが、今シーズンに限っては「難民問題」やトルコや他ヨーロッパ諸国での「テロ」がその要因のひとつだと言われています。それは観光産業面でクロアチアのライバルであるギリシャやトルコなどへの旅行者が、難民問題やテロ事件の影響で激減したため。

 

今まで他の人気ディスティネーションで夏の休暇を過ごしていたヨーロッパ人たちも、連日報道される様々な不安で悲しいニュースを受けて「今年はより安全そうなクロアチアを選ぼう」と考える人がたくさん増えている模様です。

 

 

このように不安なヨーロッパ情勢にも関わらず旅行者数が減るどころか、大きく増えるクロアチア。

 

クロアチア各都市で観光業に携わっている友人たちも3月半ば頃から「いや~、今シーズンは本当に忙しいよ!有り難いことだけど、毎日本当にタイヘンさ!夏にはどうなることやら・・・」という声が聞こえています。

 

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特にドブロブニクのホテルで働く友人たちからは「夏の予約はすでにかなりの部屋数が埋まっているよ」という声を耳にします。ドブロブニクは毎年夏になるとホテルが連日満室になり当日予約がなかなか取れないことで知られていますが、今年は特に厳しそう。特に人気の5つ星、4つ星ホテルはあっという間に予約が埋まってしまうので要注意です。

 

今年の夏にクロアチアへ個人旅行をしようとお考えの方、ホテルの予約はくれぐれもお早めに済ませてくださいね!

 

(2016年4月14日 小坂井真美