【基本情報】伝説の足跡が残る ムリェト島

緑に覆われた美しい島「ムリェト島」 (C) Croatian national tourist board.  Author : Damir Fabijanic

緑に覆われた美しい島「ムリェト島」 (C) Croatian national tourist board.  Author : Damir Fabijanic

 

ドブロブニクの約30キロの沖合いに浮かぶ、深い緑に覆われた美しい島。周辺の海はどこまでも青く澄みわたり、ほぼ手つかずの大自然が残るこの島にはた くさんの動物や植物が生息しています。クロアチア国内のみならず、地中海を含めたこの一帯の海で最も美しい島の一つと言われており、島の西側の約3分の 1が国立公園に指定されています。

 

島の見所は「ベリコイェゼロ(大きな湖)」と「マロイェゼロ(小さな湖)」と呼ばれる大小2つの塩水の湖と、湖の小島(聖マリア島)に30世紀に建 てられた修道院。また島には古代ローマ時代の遺跡も残っており、古くから人が生活していたことが伺えます。そんなムリェト島にはいくつかの興味深い伝説が 残っています。

 

ひとつ目はギリシャ神話の英雄であり、ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」の主人公でもあるオデュッセウスにまつわる伝説。オデュッセウスが立ち寄ったカ リプソ島は、このムリェト島だったと言われています。

 

もうひとつは新約聖書にでてくる使徒パウロの伝説。パウロはローマを目指して航海している途中、嵐に 襲われてアドリア海を14日間漂流しますが、その後ある島にたどり着きます。その島はマルタ島だという説もありますが、一方でムリェト島こそがその島だと いう説もあるのです。深い緑に覆われた島、それを取り囲む青の湖とアドリア海が織り成す神秘的な自然のコントラスト。

 

オデュッセウスや使途パウロも見たか もしれない美しいムリェト島の光景を眺めながら、伝説に思いを馳せてはいかがでしょうか。