【スプリット】ローマ時代の下剋上を物語る、ジュピター神殿

ジュピター神殿(洗礼室)

ジュピター神殿(洗礼室)

ローマ皇帝の宮殿が街の旧市街となったという、珍しい起源を持つクロアチアのスプリット旧市街。この宮殿は今から約1700年前に、ディオクレティアヌス皇帝が晩年を静かに過ごすための宮殿として建設され、皇帝はここで6年を過ごしました。

 

そんなスプリット旧市街内には、ローマ時代を物語る遺跡がたくさん残っていますが、今回はそのなかのひとつ「ジュピター神殿」についてのエピソードをお伝えします。

 

スプリット観光前に知っておくと、きっと散策がより楽しくなるはず!では、早速チェックしてみましょう。

ジュピター神殿?洗礼室?

スプリット旧市街内、ぺリスティルから西に向かって続く通路の奥にひっそりと佇む小さな建物。

 

ガイドブックによって「ジュピター神殿」と表記されたり「洗礼室」と書かれたり、表記がまちまちなので、別々の観光スポットがあるのだと勘違いしてしまう人もいるようですが、どちらも同じもの。

 

もともとこの建物は皇帝がローマ神話の最 高神であるジュピターを祭る神殿として建てましたが、後にキリスト教が広まると神殿は洗礼室として利用されるようになりました。呼び名がふたつあ るのはこのためです。

 

3世紀半ばから4世紀初頭を生きたとされるディオクレティアヌス皇帝は、自らの威厳を高めるために“ローマ神話の最高神ジュピター(ユピテル)の子”を名乗ったと言われています。ジュピターの子である皇帝は、まさに生神!ジュピターを父とすることにより、自らを神格化したのです。

 

このような地位に昇りつめたディオクレティアヌス皇帝ですが、実際は下層農民出身で、父親は奴隷の身分だったとも言われています。ですが、着実に努力を続けたディオクレティアヌスは出世に出世を重ね、とうとう皇帝の座に就きます。まさにローマ時代の下剋上ですね!

 

内部

内部

 

さて、現在は神殿ではなく、洗礼室に姿を変えた“ジュピター神殿”。入り口を入ってすぐの正面にはクロアチアの有名な彫刻家イヴァン・メシュトロヴィッチの作の聖ヨハネ像が安置されており、像の前には洗礼盤が置かれています。

 

洗礼盤に彫られている人物はクロアチア王国の国王(クルシェミル4世、もしくはズヴォニミル王)であるとされています。また、天井に施された見事な彫刻も必見です!

 

キリスト教に対する最後の大迫害を行った皇帝として有名なディオクレティアヌス帝。大聖堂といい、この洗礼室といい、自らの神性、威厳を後世に伝えるために造られた霊廟や神殿が自らの弾圧により命を落とした人々の記憶を後世に伝える建造物へ変貌を遂げるなんて、皇帝は夢にも思わなかったでしょうね。

 

多くのキリスト教徒を迫害した事実もあり、賛否両論のあるディオクレティアヌス皇帝ですが、有能かつ指導力に富む軍人であったことには間違いないと言えるでしょう。皇帝の夢が詰まったディオクレティアヌス宮殿。散策時にはそんな彼の生涯に想いを馳せてみてください。

 

<DATA>
Sv.Ivan Krstitelj(洗礼室)
開館時間:4月~10月 8:00~20:00(日曜日は12:00~20:00)、
11月~3月 閉館
入場料:10クーナ

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