クロアチアの大自然が誇るクルカ国立公園。
近郊の町シベニクはもちろん、ザダルやスプリットからの日帰り観光先としても人気の美しい公園です。
まだ日本では観光情報が少ないため、あまり知られていませんが、クロアチアでたっぷりと時間のある方、夏にお越しの方にはぜひ立ち寄っていただきたい穴場スポット!
今回はそんなクルカ国立公園の観光時にきっと役立つ散策ルート、園内地図についてお伝えします。
エントランスは5ヵ所
クルカ国立公園への入口は全部で5ヵ所(下記)ありますが、ほとんどの旅行者が利用することとなるエントランスはロゾヴァッツ(Lozovac)とスクラディン(Skradin)の2ヵ所です。一般的には、シベニクからバスで到着する方はロゾヴァッツ、ザダルからバスで到着する方はスクラディンから入園することとなります。
公共バスを利用してクルカ国立公園にアクセスしようと考えている方から「クルカに行きたいのですが、スクラディン行きのバスとロゾヴァッツ行きのバスと2種類あって、何が違うのかよくわかりません」とお困りの声を時々耳にしますが、違いは上記の通りです。
【クルカ国立公園のエントランス5か所は以下】
上の写真の場所であるスクラディンスキ・ブクの遊泳ポイント(区域)(※)はスクラディン方面から来る遊覧船が発着する乗り場を降りて、徒歩3分の地点に位置しています。一方ロゾヴァッツからは、徒歩約10分~15分程度でアクセスすることができます。
(※2021年1月1日より、クルカ国立公園内全域で遊泳が禁止されました。これまで「泳げる絶景」として人気を集めていたクルカ国立公園ですが、来園者・遊泳者の増加により生態系への影響が危惧されたこと、また園内での遊泳中の事故を防ぐため、遊泳禁止となりました。(遊泳禁止になるまでの直近4年間で5件の水難事故がありました))
スクラディンからアクセスする
上記のとおり”Entrance Skradin(スクラディン)”から入園される方は、遊覧船に乗って園内中心部である『スクラディンスキ・ブク(Skradinski buk)』にアクセスする必要があります。
はじめて行くと少し戸惑ってしまう方も多いと思うので、写真付きで道順をお伝えしますね。
まず『スクラディン(Skradin)』に到着してバスを降りると、このような景色(↑)が目に飛び込んできます。上の写真のような分岐路が見えてくるので、右側の道を進んでください。
しばらくするとお土産屋さんやファーストフード店が見えてきます。このまま道なりにまっすぐ進むだけです。
すると、右手に上の写真のようなガラス張りの建物が見えてきます。これが”Entrance Skradin(エントランス・スクラディン)”のチケットオフィス兼インフォメーションセンターです。
チケットはここでも買えますが、(後でお伝えしますが)遊覧船を降りた後に見えてくるチケットオフィスで購入してもOK。スクラディンとスクラディンスキ・ブクを結ぶ遊覧船の乗船時にはチケットのチェックはありません。(※【2022年7月20日更新】特に夏はたくさんの来園者で混雑するため、クルカ国立公園の公式サイトで事前にチケットを予約しておくことをおすすめします)
いずれにせよ、チケットオフィスのすぐ近くにスクラディン=スクラディンスキ・ブク間を結ぶ遊覧船が停泊しているので、出発時刻が近づいたら乗り場に並びましょう。
ここで注意していただきたいのが、クルカ国立公園を訪れる際は「スクラディン=スクラディンスキ・ブク間を結ぶ遊覧船の運航時刻を事前に必ず確認確認しておく」という点。
季節により運航時刻は異なりますが、往路・復路ともに通常1時間に1本程度しかありません。特に注意したいのが復路の運行時間。「クルカ国立公園観光後は、スクラディンからバスに乗ってシベニクやスプリットなど近隣の町に移動する」という方も多いと思いますが、スクラディンまで戻ってくるための帰りの遊覧船の運行時間を必ず当日現地で、まず最初にインフォメーションセンターなどで確認しておきましょう。
上の写真からもわかるように、スクラディンスキ・ブク(園内)からスクラディン(バス乗り場付近)まで戻ってくる遊覧船も1時間に1本しかありません。バスに乗り遅れないように、スクラディンには余裕を持って戻ってきてくださいね。
バス乗り場付近にはカフェやレストランも数件あるので、少し早めに戻ってきてゆったりとカフェタイムを楽しむと安心ですね。
スクラディン=スクラディンスキ・ブク間の遊覧船の乗車時間は約25分程度。気持ちの良い風に吹かれてミニクルーズをゆったりと楽しみましょう。
遊覧船を降りると、インフォメーションセンター兼チケットオフィスが見えてきます。先にも述べたように、入場チケットはここで購入してもOK。ここから先に進むには係の人に入場チケットを提示する必要があります。
※クルカ国立公園・入場料(最新版)一覧はコチラ (※クルカ国立公園公式サイト(英語)に飛びます)
>>次のページではクルカ国立公園の園内MAP(地図)と、絶景ポイントを写真付きでお伝えします
クルカ国立公園・園内MAP
クルカ国立公園の全体MAPは下記の通り:
約109㎢の敷地内には、スクラディンスキ・ブク(Skradinski buk)、ヴィソバッツ(Visovac)、ロシュキスラップ(Roški Slap)など、様々な見所が点在します。
今回はなかでもたくさんの観光客が訪れるスクラディンスキ・ブク(上の地図の赤枠内に位置しているエリア)付近のエリアに焦点をあてて、散策ルートや見所、絶景スポットをお伝えします。
上の地図に大滝(スクラディンスキ・ブク)をぐるっと囲うように黄色線で記されているのが、遊歩道。
全長約1900mで、さっと歩けば1時間程度で回れる距離(約1900m)。写真を撮ったり、途中のんびりと休憩しながらだと2、3時間程度です。
では、早速スポットを詳しく見て行きましょう!
①遊覧船の発着ポイント
スクラディン=スクラディンスキ・ブク間を結ぶ遊覧船が発着します。
②チケット売り場
前のページでも述べたインフォメーションセンター兼チケットオフィス。スクラディンで入場チケットを買って来なかった方はここで購入しましょう。
(※【2022年7月20日更新】特に夏はたくさんの来園者で混雑するため、クルカ国立公園の公式サイトで事前にチケットを予約しておくことをおすすめします)
③お手洗い
ここのお手洗いは有料(5クーナ)。遊泳ポイントや野外レストランが多いエリアのため、混雑しがちです。
ここから歩いて10分程度の所に位置する、上の地図の⑥にあるお手洗いは無料です(※)。
(※2016年記事公開時点の情報です。2022年7月更新時点現在、また状況が変わってしまっているかもしれませんのでご注意ください。またクロたびスタッフ自身もクルカ国立公園へ行く機会があれば確認してきますが、(お手洗い事情に限らず、他の点についても)もし「行って来たけれど、こうなっていた(変わっていた)よー!」と最新の状況をご存知の方がいらっしゃったら、よろしければ情報をお寄せいただけると嬉しいです。)
④野外レストランスペース
ビールやコーヒーなどのドリンクはもちろん、アイスクリームや簡単な軽食(サンドウィッチ)などを売る野外レストランスペースが広がっています。値段はドリンク1杯10~20クーナ、アイスクリーム10クーナ、サンドウィッチ25~30クーナと、やや割高なものの高すぎることはありません。
ですが、お水に関してはかなり割高!通常、町のスーパーで1本6クーナ程で売られている500mlのお水が16クーナとかなり高い値段設定がなされていました。
特に夏場は熱中症にならないようにこまめな水分補給は必須。クルカ国立公園にお越しの際は、事前にたっぷりとお水を用意して来られることをおすすめします。
⑤遊泳区域
クルカ国立公園は遊泳できるエリアが定められているのですが、ここが公園で一番の見所&人気遊泳スポット!大迫力の滝(スクラディンスキ・ブク)の近くで水遊びを楽しむことができます。
泳ぐ人も、泳がない人も、クルカ国立公園へお越しの際は、ぜひこの景色をお見逃しなく!(※)
(※2021年1月1日より、クルカ国立公園内全域で遊泳が禁止されました。これまで「泳げる絶景」として人気を集めていたクルカ国立公園ですが、来園者・遊泳者の増加により生態系への影響が危惧されたこと、また園内での遊泳中の事故を防ぐため、遊泳禁止となりました。(遊泳禁止になるまでの直近4年間で5件の水難事故がありました))
⑥お手洗い
無料のお手洗い。お手洗いの近くに、無料の水飲み場があります。安心して飲めるお水ですが、おなかが弱い人はご注意ください。
⑦鍛冶屋、民族博物館
眺望ポイント①~③
眺望ポイント①~③が点在するエリアは、急な階段がずっと続きます。
①から③の方向に道なりに階段をのぼってゆくと所要時間は10分程度。途中休憩をしたり、写真を撮りながら散策しても30分もあれば十分な距離です。
途中、下の写真のような景色を楽しむことができます(写真はクリックすると拡大します)
おすすめエリア
ゆっくり、ぐるっと1周回っても2、3時間程度で歩ける(さっと歩くだけなら1時間で十分です)遊歩道のコースですが、なかでも特に美しい遊歩道が広がり絶景ポイントが点在するのが上の地図の赤枠内。
反対側(南側)のコースは階段が多いのに対し、赤枠内のコースは川の上に遊歩道が敷かている場所が多いため、より豊かな自然の中で散策を楽しむことができます。(※下の写真はクリックで拡大します)
★おすすめ!眺望ポイント④
スクラディンスキ・ブクのおすすめ眺望スポットは2か所ありますが、そのうちのひとつが④の場所。
下の写真のように段々に流れ落ちる滝や川を高い位置から一望することができます。
★おすすめ!眺望ポイント⑤
クルカ国立公園らしい写真が撮れる眺望スポットが⑤の場所!
遊泳区域に架かる橋を上からきれいに眺めることができる眺望スポットです。
散策ルート
ここまで見てきて、なんとなく園内の様子を把握していただけたでしょうか?
このように、スクラディンスキ・ブク付近だけの散策であれば、スクラディンあるいはロゾヴァッツのエントランスからスタートして、木の赴くままに遊歩道沿いを散策してみてください。
散策時間はもちろん、遊覧船の乗車時間や園内での休憩時間、遊泳時間などすべて入れても半日(5、6時間)もあればゆったりと十分に楽しめます。
「あまりのんびりしている時間がない」という方も、泳がずにのんびりと散策するだけでOKなら、3、4時間あれば十分に楽しんでもらえます。(※)2021年1月1日より、クルカ国立公園では園内全域で遊泳が禁止されています)
クルカ国立公園で1日たっぷりと時間のある方は、ヴィソバッツ(Visovac)やロシュキ・スラップ(Roški Slap)などが位置する公園の奥(北側)にも足を延ばしてみて。ヴィソバッツ(Visovac)やロシュキ・スラップ(Roški Slap)に行くには、ロゾヴァッツ(Lozovac)のインフォメーションセンター近くにある船着き場から遊覧船に乗ってアクセスすることになります(ガイド付き・船で案内するボート・エクスカーション(ツアー)形式。申し込みはロゾヴァッツのインフォメーションセンターで行います)。
ヴィソバッツに行くだけなら所要時間は2時間程度、参加費は100クーナです。ヴィソバッツ島に建つフランシスコ会修道院にも立ち寄ることができます。
「ヴィソバッツだけではなく、ロシュキ・スラップも見てみたい」という方はロシュキ・スラップ+ヴィソバッツのエクスカーションに参加しましょう。所要時間は3時間半~4時間程度。ロシュキ・スラップ、そしてヴィソバッツ島に建つフランシスコ会修道院にも立ち寄ることができます。
以上クルカ国立公園観光のヒントになれば幸いです。
(2016年7月1日 ザグレブ在住ガイド 小坂井真美)
本記事のデータは2016年7月1日公開日時点でのデータです
※2022年7月20日一部更新
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