一風変わったイタリア!トリエステを訪れるべき7つの理由

隣国スロベニアの国境沿いに位置するイタリアの港町、トリエステ。同じく北イタリアに位置する「ミラノ」や「フィレンツェ」など日本でも人気の街と比べると、あまり馴染みがないかもしれませんが、イタリアの他の町とは一風違った雰囲気を持つ素敵な町です。

 

筆者も実際に足を運んでみて、トリエステをすっかり気に入ってしまったひとり。そこで今回は、みなさまにトリエステをおすすめしたい7つの理由をお伝えします!

一風変わったイタリアに出逢える

 

まだまだイタリア初心者の筆者ですが、イタリアに住んでいる方やイタリアのいろんな街に行ったことがある方曰く「トリエステは一見イタリアらしくない町」なのだとか。

 

様々な国家の統治下に置かれた歴史を持つトリエステですが、特にオーストリア(ハプスブルク帝国)による統治時代の影響が強く、その影響は街並みにも色濃く残っています。

 

壮麗で気品漂う建物が多く、「小ウィーン」とも例えられることがあるほど、オーストリア風の街並みが印象的なトリエステ。町中にはハプスブルクゆかりのスポットも数多く点在しています。

 

一風変わったイタリアの町を見てみたい方はぜひ!

 

穴場スポット!

 

まだ日本では観光地としてあまり馴染みのないトリエステですが、美しいアドリア海の「穴場スポット」として、密かに人気を集めているのだとか。

 

「あまりみんなが知らないイタリア」というだけでも旅好きの方には魅力的な響きがありますが、トリエステが「穴場」だと言われる理由はそれだけではありません。

 

その理由とは、ローマやヴェネチア、ナポリなど、いわゆるイタリアを代表する「観光地」と比べると物価が安いという点。筆者も実際、ローマに行った時はレストランやホテルなど「ちょっと物価が高いな~」と感じたものですが、トリエステでは日本の感覚とさほど変わらず「高い!なんでこれがこんな値段する(高い)の?!」と感じることはほとんどありませんでした。

 

有名な老舗カフェやレストランでも決して高い値段設定ではなく、コーヒー1杯2ユーロ前後とかなり良心的。ホテルも1泊7、8000円も出せば、快適で心地良いお部屋にステイすることができますよ。

 

街歩きしやすい

 

見所が町の中心部にコンパクトにまとまっていて、非常に観光がしやすいトリエステ。「ミラマーレ城」は中心部からバスに乗ってアクセスする必要がありますが、それ以外の観光名所は基本的にすべて徒歩で周ることができます。

 

小ぢんまりとした町なので、半日~1日もあれば、十分に観光名所を周り切ることができるトリエステ。道に迷っても海が見える方向が目印になるので、方向感覚を掴むのが苦手な方も、街歩きがしやすい町なのです。

 

また(筆者の個人的な感想ですが)英語もそこそこ通じますし、言葉がうまく通じなくても身振り手振りで一生懸命に道順を教えてくれる親切な人が多い、素敵な町でした。

 

ごはんがおいしい!

 

アドリア海を望む港町トリエステは、新鮮なシーフード料理が自慢!とはいえ、名物はシーフードだけではなく、お肉料理など、様々なおいしいお料理を堪能することができます。

 

歴史的、地理的に様々な国の影響を受け、食文化が非常に豊かなトリエステ。地中海料理だけではなく、豪快なお肉料理やザワークラウト、ハム、ソーセージなど、オーストリアをはじめとする中央ヨーロッパの影響を受けたおいしい料理もこの地域の名物なのです。

 

また町を歩けば、そこら中においしそうな香りを漂わせる屋台がずらり。おいしそうなイタリア産のプロシュートやチーズ、見た目にも可愛らしいお菓子を売るお店もたくさん目につきます。

 

そんなトリエステは食いしん坊さんには堪らない、とっておきの街歩きが楽しめる町なのです!

 

素敵なカフェ&おいしいコーヒーを楽しめる

トリエステの有名老舗カフェ「カフェ・サン・マルコ」

 

「コーヒーの街」「カフェの街」とも呼ばれるトリエステには素敵なカフェがいっぱい。150年以上もの間、多くの文化人たちに愛されてきた老舗カフェが街中に点在しています。また、イタリアの代表的なコーヒーメーカー「illy」の本社があるのも、ここトリエステ。

 

トリエステが「コーヒーの街」と呼ばれるようになったルーツは、時を遡ること18世紀。当時トリエステはオーストリア(ハプスブルク)にとって重要な港町、特にアフリカからヨーロッパに運ばれるコーヒーの経由地点として発展したのだとか。そして、この地域を統治していたマリア・テレジアは、トリエステを重要な港町として美しい街並みに整備することに注力したそうです。

 

そして19世紀になると、町には数多くのウィーン風のカフェが造られ、ドイツの詩人リルケやアイルランドの作家ジェームズ・ジョイスなどをはじめ、各国の文豪が集う国際的な「カフェの街」として発展したのだそう。今でもその名残で、町にはたくさんの素敵なカフェが点在し、様々なおいしいコーヒーを楽しむことができます。

 

治安が良い

 

イタリアの中でも、特に治安が良いと言われているトリエステ。筆者も実際に町を歩いてみて、安心して散策を楽しめる素敵な町だと感じました。

 

例えば昔訪れたローマと比べても、トリエステの方がずっとずっと治安が良いように感じました。ローマにはローマにしかない魅力がたくさんあり非常に楽しかったですが、あまりにも人が多く雑踏とした雰囲気に包まれ、しつこい客引きや物乞いをする人の姿もよく目にし、町の各所でライフルを持った兵士さんたちが警備に携わっている姿などを見て、普段平和な日本やクロアチアでの生活に慣れきってしまっている筆者は「なんて物騒な町なんだ・・・」と、ちょっぴりピリピリしながら街歩きをした記憶があります(笑)

 

ですがトリエステは町も整然としており、道端にゴミなども落ちておらず、客引きや物乞いをする人の姿もほとんど見かけませんでした。「観光地」としての見所の多さや見ごたえという点では世界のローマには敵わないかもしれませんが、筆者は心から安心して街歩きを楽しむことができたトリエステがすっかり気に入ってしまいました♬

 

アドリア海に出逢える

 

アドリア海に面した坂の街、トリエステ。小高い丘や坂の上に建つ建物からはアドリア海の素晴らしい景色を一望することができます。

 

晴れた日には心地よい海風が街中を吹き抜けます。カフェでのんびりくつろいだり、海辺の遊歩道を歩いたり、ショッピングや食べ歩きを楽しんだり、のんびりとした休日を過ごすのに最適な町です!

 

スロベニア、クロアチアにも日帰りで行ける!

スロベニアの首都、リュブリャナ

 

隣国スロベニアとの国境に位置するトリエステ。スロベニアの首都リュブリャナからはバスや車で約1時間、クロアチアのイストラ半島エリアの街からもバスや車で2時間程度と、近隣諸国に気軽にアクセスすることができる場所に位置しています。

 

またイタリアの人気観光地であるヴェネチアにもバスや車でわずか2時間の距離。トリエステを拠点にすれば、ヴェネチアの他、まだ日本ではあまり馴染みのない国であるスロベニアやクロアチアにも気軽に足を延ばすことができますよ!

 

以上いかがでしたでしょうか?

 

個人的にすっかり気に入ってしまったトリエステ。今後当サイトでも、スロベニアやクロアチアの旅に組み込んで訪れていただきたいおすすめの旅先として情報を充実させてゆきたいと思います!

 

小坂井真美

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トリエステ旅行前に読みたい、おすすめの本

トリエステ旅行前に、須賀敦子さんのエッセイ「トリエステの坂道 」を読んでみませんか?

 

本が好きな方のなかには「トリエステという町について知ったきっかけは『トリエステの坂道』だった」「『トリエステの坂道』に誘われて、トリエステへ旅に行った」という方もいるほど。

 

本が好きな筆者も、イタリアに興味がある方から「イタリアに行くなら、須賀敦子さんのエッセイを読むと面白いよ。特に、『トリエステの坂道』や『ヴェネツィアの宿』などがおすすめ」と教えていただき須賀さんの本と出逢いました。

 

「トリエステの坂道」は「読むと思わずトリエステへ行きたくなる」一冊。旅行前に読むと、よりトリエステの旅の感動が感慨深いものになるかもしれません。