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火曜日, 6月 19th, 2018
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【インタビュー】瀧口大使にお聞きした、 クロアチアでの日本の印象 & クロアチアの魅力!

瀧口敬二大使 今年(2018年)で外交関係樹立25周年を迎えた日本とクロアチア。   在クロアチア日本大使館を中心に、今年は例年以上にクロアチア国内で様々な日本関連のイベントが催されており、これから日本とクロアチアの関係がより良い豊かなものになることが期待されています。   ですが、まだまだ日本では「クロアチアって、どんな国なのか、想像がつかない」という方も多いのではないでしょうか。   そこで日々、日本とクロアチアの友好の架け橋として第一線でご活躍されている、駐クロアチア日本大使の瀧口敬二大使にクロアチアについて色々なお話をお聞かせいただきました。 はじめての印象 在クロアチア日本大使館がある首都のザグレブ   2016年7月から在クロアチア日本国大使を務めていらっしゃる瀧口大使。   ご着任されてからもうすぐ2年が経ちますが、クロアチアに対するはじめての印象は「とても美しい、のんびりとしていて暮らしやすい国」だったそうです。   2年たった今も、その第一印象に変わりはないとのこと。瀧口大使は次のような非常に興味深いお話をしてくださいました。   「豊か」なクロアチアの生活   「クロアチアの人々の生活は実に“豊か”だと感じます。   ですが、経済的な面での“豊かさ”というわけではなく、GDPのような数値には現れない人々の生活の豊かさを感じるのです。   クロアチアの町では、平日、週末問わず、お昼前からカフェでのんびりしている人がたくさんいます。   この国には、実にゆったりとした時間が流れています。特にアドリア海沿いの町は、その傾向が強いですね」と瀧口大使。   筆者も過去に「世界が恋する国クロアチアに学ぶ、幸せな人生を送るための11のヒント」でお伝えしましたが、クロアチアは日本や西欧の先進諸国と比べると経済的に決して豊かではない国ですが、町を歩いていても悲壮感や閉塞感、貧しさを感じることはなく、むしろ幸せそうに暮らしている人々の様子をたくさん目にします。   ザグレブのズリニェヴァッツ公園   クロアチアでは平日でも、お天気の良い日はカフェのテラス席は、いつだって賑やか!コーヒーを片手におしゃべりに興じるクロアチア人でいっぱいです。   また気候の良い季節は、いつも公園の木陰や芝生の上、海辺のベンチやビーチでは、のんびりと寛ぐ人々で溢れています。   決して経済状況が良好と言えないクロアチアで、瀧口大使はクロアチアの方々から「どうすればGDPが上がるだろうか?」とご意見を求められることもあるそうですが、瀧口大使は次のようなお話をしてくださいました。   「『GDP=幸せ』ではなく、“経済統計の指標”が必ずしもその国の人の幸せを必ずしも反映しているわけではありません。   数字に表れない豊かさがあるのです。   例えば、クロアチアの人々が大好きな“コーヒーを飲んでのんびりする時間”を削って働けば、GDPは上がるかもしれません。   でも果たしてそれが、本当に“人々の幸せ”につながるのでしょうか・・・。」     筆者も、まさに瀧口大使が仰るとおりだと感じました。   筆者自身、クロアチアで住んでいると「きみは日本人なのに(経済的に恵まれた日本という国に生まれながら)どうしてクロアチアみたいな国(経済的に豊かでない国)に移住してきたんだ?」と、たまに不思議そうにクロアチア人に聞かれることがあります。   正直なところ、筆者がクロアチアに移住したきっかけは「パートナーがクロアチア人だから」という単純な理由。日本が大好きな筆者は、いつか日本に帰りたいと夢見る一方、なんだかんだでクロアチアの生活が心地良くて仕方がありません。   クロアチアでの生活が好きな理由はたくさんありますが、そのなかでも「現状を楽しみ、あくせくしない」という、のんびりとした社会全体の雰囲気が実に魅力的です。   クロアチアは「心の豊かさの大切さ」を筆者に教えてくれた国でもあります(関連記事:世界が恋する国クロアチアに学ぶ、幸せな人生を送るための11のヒント)。   クロアチアに住む人間として、この国の経済的成長を望む一方、「コーヒータイムを楽しむ時間を惜しんで、毎日バリバリ働く人でいっぱいの国になったら・・・」と想像したら、「そうなってほしくない!そんなのクロアチアじゃない!」と心の中で首を横に振る自分がいます。     また、のんびりとした時間は、人の心に余裕を生み出してくれるのでしょう。   「困っていたら声をかけてくれる人、優しい人が多いですね」と瀧口大使。   クロアチアに実際にお越しになられた日本人観光客のみなさんからも「長い階段がある場所で一生懸命スーツケースを運んでいたら、地元の男性が“僕が運んであげるよ”と助けてくれた」「道に迷っていたら、見かねたのか“どこに行きたいの?”と、地元の人が親切に声をかけてくれた」というようなお話をよく耳にします。   瀧口大使もおっしゃるように「人の優しさ」を魅力として挙げる方も多いクロアチア。   きっとみなさんも旅行中、現地の人とのふれあいで心がほっこりする瞬間があることでしょう。   大使お気に入りの場所 世界一小さな町、フム   日々、お仕事でクロアチア各地に足を運ばれる瀧口大使。「今までご訪問されたクロアチアの町で、印象的だった所、大使おすすめの場所はどこですか?」という質問に、しばらくお考えになった後「フムです」と笑顔で答えてくださいました。   「世界最小の町」と謳われる、イストラ半島の小さな町フム(Hum)。町はとっても小さく、ぐるりと一周するのに5分もかかりません。   (フムについて詳しくは「【クロアチア】巨人が石ころで創った、世界最小の町「フム」」をご覧ください)   「フムはゆったりとした時間が流れる、非常に雰囲気の良い町。“何もない”というのが魅力的でした」と、下のフムの写真を見せてくださいました。   撮影:瀧口敬二大使     また「美しく雄大な自然が溢れるプリトヴィッツェも、ぜひ日本の皆さんに訪れて頂きたい場所のひとつですね。   それから、人が少ない3月のドブロブニクも素敵でした。   特に夜、人がひとりもいないプラツァ通り(ドブロブニクのメインストリート)が印象的でした。人がいないドブロブニク旧市街なんて、珍しいですからね。空っぽの白い石畳に、光がキラキラと反射しいて、とても綺麗でした」と瀧口大使。   撮影:瀧口敬二大使   夏に訪れる方が圧倒的に多いドブロブニクですが、瀧口大使がおっしゃるとおり、観光シーズン前のドブロブニクもおすすめです。   ドブロブニクをはじめ、海岸沿いの町では10月中旬から4月上旬にかけて休業するホテルやレストラン、お土産屋さんが多いクロアチア。そのため海辺の町は冬の間は、どこかひっそりとした空気が町を覆います。   「せっかく訪れるのに、お店が開いていないなんて残念・・・」という声も聞こえてきそうですが、町本来の姿やそこに住む人々の生活を垣間見るには絶好の季節です。   特に人混みを気にせず、ゆっくりと美しい町の雰囲気を満喫したい方には、人が特に少ないオフシーズンがおすすめです!   (関連記事:秋・冬のクロアチア観光は?「オフシーズン」が狙い目である6つの理由!)   モトブン近郊でのトリュフ狩り   また「JATA(日本旅行業協会)が選んだ『ヨーロッパの美しい街道・道20選』のうち、2つにクロアチアが入っているのですよ」と教えてくださいました。   選ばれたのはワイン、オリーブ、トリュフの産地として知られるイストラ半島の「イストラ三味(さんみ)街道」と、プリトヴィッツェ湖群国立公園、クルカ国立公園、そしてボスニア・ヘルツェゴビナのウナ国立公園を巡る「エメラルド街道」。   プリトヴィッツェ湖群国立公園以外は、まだまだ日本人観光客が少ないエリアばかり。ですが、これから少しずつ、日本でもその魅力が知れ渡るようになることでしょう。   クロアチアでの日本の印象 ザグレブにある、在クロアチア日本大使館   ところでみなさん、クロアチアでの日本の印象はどのようなものだと思いますか?   一般的に「親日的」と言われるクロアチア。日本に対して良いイメージを持ってくれている人が多いクロアチアですが、在クロアチア日本大使館が行った「日本に関する意識調査アンケート」で、とても興味深い結果が出たそうです。   アンケートに答えたのは「無作為に選ばれたクロアチア人」であり、日本に関心があるクロアチア人を集めて聞いたわけではない、という点もこのアンケート調査が興味深い点です。   まだ詳細なデータは整理中だそうですが、アンケート結果の一部を教えてくださいました!     今回のアンケート調査に回答したのは、ザグレブ、ドブロブニク、スプリット、リエカ、プーラ、ザダルなど、日本人観光客も訪れるクロアチアの比較的大きな都市に住む人、約450名。   そのなかで「あなたは日本に関心がありますか?」という問いに対して「とても興味がある」が48%、「興味がある」が35%だったのだとか。   つまり83%もの人が、日本に対して何等かの関心があるという結果だったそうです!   また「日本の何に関心がありますか?」という問いに対しての回答は、次のような結果になったのだそう(複数から3つまで選択可能、という方式) ・日本の生活 44% ・日本のテクノロジー、電化製品など 37% ・自然 32% ・食べ物 26% ・建築 22... »記事