【保存版】セルビアの治安は?観光中に気を付けるべきポイント

温かい人はセルビアの最大の魅力のひとつ

親切で温かい人々はセルビアの最大の魅力のひとつ

 

旧ユーゴスラビア内戦や暴動などのイメージが強いため、なんとなく「セルビアは危ない国、治安の悪い国」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。ですが、セルビアは凶悪事件はめったに起きない平和な国。

 

実際にセルビアへ行った旅人からも「セルビアは人が本当に親切。温かい人々とのふれあいが何よりの旅の思い出になった」という話をよく耳にしますが、安心して旅を楽しんでいただける素敵な国です(筆者も実際に足を運んで「噂に聞いていた通りだ」と感じました。

 

海外旅行ではつい気持ちが大きくなってしまいますが、普段日本で気を付けていることを守り、夜道や人気のない場所を歩かないなど、常識的な行動をすれば危険な目に遭うこともほとんどありません。

 

そんな平和なセルビアですが、やはり油断は禁物です。今回はセルビア旅行をトラブルに巻き込まれることなく楽しんでもらうために気をつけてもらいたいポイントを5つお伝えします。

 

スリ・置き引きに注意

散策中も背後に迫るスリに要注意!

散策中も背後に迫るスリに要注意!

 

海外旅行で一番遭う確率の高い犯罪のひとつといえばスリ・置き引き。セルビアでも、最も日本人が遭いやすい犯罪のひとつがスリです。せっかくの楽しい旅行も、スリや置き引きに遭ってしまうと一気に雰囲気が台無しになってしまいます。嫌な気分になるだけでなく、貴重な現地での時間も無駄に。

 

スリをする相手もプロ、ターゲットとなる人物をしっかりと品定めしています。混雑したトラムやバスなどの車内はもちろん、散策中も貴重品には常に気を配って。スリのターゲットになりやすい人の特徴を学んで、標的にならないようにしっかりと対策をしてゆきましょう。

 

※万が一パスポートの盗難被害に遭ってしまった際は、帰国するためにパスポートの再発行の手続きを速やかに行う必要があります。パスポートの再発行の手順については「クロアチア治安情報】旅行中スリ・盗難に遭ったらどうする?」をご参照ください(セルビアでもクロアチア語が問題なく通じるので、記事内で紹介しているクロアチア語フレーズがそのまま通じます)。セルビアでのパスポート再発行の手続きも、必要書類などクロアチアのものとほとんど同じです。

 

【在セルビア日本大使館情報】

住所:Ulica Tresnjinog Cveta 13,11070 Novi Beograd, Srbija
Tel: +381-11-301-2800
Fax: +381-11-711-8258
※大使館への詳しいアクセス方法はこちら(在セルビア日本大使館のHPにリンクします)

ぼったくりタクシーにご用心!

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スリ・置き引きの次に旅行者が遭いやすいトラブルがぼったくりタクシー。特にベオグラード空港から市内に向かう際にタクシーを利用する方は要注意!

 

セルビア国立観光協会によると『(空港の)ターミナルビルを出るとタクシーのドライバーが声をかけてきますが、絶対にそうしたタクシーには乗らないでください。通常の5、6倍の料金を請求されます。』とあります。(※ベオグラード空港から市内へのタクシーの移動方法や注意点はこちらをご覧ください)

 

ですが、事前に対策をしていれば、ぼったくり被害に遭う確率をぐっと減らすことができます。下記記事をヒントに、被害に遭わないように用心してくださいね。

 

フーリガンにご用心

親日家がとても多いセルビア。写真はベオグラード市内を走るバス。日本がセルビアに寄付したものなのだそう

親日家がとても多いセルビア。写真はベオグラード市内を走るバス。日本がセルビアに寄付したものなのだそう

 

女性でも一人旅を楽しめるくらい平和なセルビアですが、強面の集団や公園などでお酒を飲んだり騒いだりしている集団を見かけた時は近づかないように注意しましょう。特に試合がある日のサッカースタジアムやスポーツ会場付近には注意。

 

セルビアは粗暴なフーリガンも存在し、中には外国人に対して排他的な思想を持つ人もいます。普通に観光をしている中で、そのような集 団に出くわすことはあまりありませんが、万が一絡まれそうになっても絶対に応じることなく無視をして、速やかにその場を離れるように心がけましょう。

 

デリケートな話題に気をつけて

とても温かく、おしゃべり好きなセルビアの人々。ですが、旧ユーゴスラビア内戦やコソボ問題関連の話題、民族的・宗教的な話題は思わぬ誤解に発展してしまう可能性もあるので避けるほうが無難です。相手から話してくれる場合は別ですが、そうでなければこちらからそのような話題を持ち出すのは控えましょう。

セルビア=コソボ間の国境沿いに注意

serbia

 

長くなるのでここでは詳細は割愛しますが、今でも未解決なセルビアとコソボ間のいわゆる「コソボ問題」。コソボはセルビア南部に位置する国ですが、セルビアはコソボの独立を認めず、今でもコソボをセルビアの一部と認識しています。

 

未だにセルビアとコソボ間の国境には緊迫した状況が続いているところもあるため、該当地域へ渡航される際は十分にご注意ください。(以下、在セルビア日本大使館HPより一部抜粋)

 

セルビア南部、特にコソボ東部との国境に隣接する地域はアルバニア系住民が多数居住する地域でもあり、挑発的な行為 (1999年のコソボ紛争中に死亡したコソボ解放軍兵士の鎮魂碑の建造など)も行われています。同地域での警察、 セルビア系、アルバニア系住民の間で重大な事件が生じ得ますので、この地域に渡航を予定されている方は安全確保のための準備をし、十分注意して下さい。

 

セルビア、バルカン半島を訪れる方のなかには「せっかくだからセルビア観光のついでに、コソボ観光もしたい」という方もいらっしゃることかと思います。そのような方はスムーズに旅を楽しむためにも、できることなら先にセルビアに入国してからコソボを訪れることをおすすめします。

 

その理由は、上にも述べたようにセルビアはコソボを独立国として認めていないため「コソボ(セルビアの領地)にセルビアの入国スタンプなしで滞在=セルビアに不法入国した」と見なされるためです。

 

実際には「コソボ入国後に2か国間の国境を越えてセルビアへ入ろうとしても、特に問題なく入国できた。ただ、コソボ側の出入国スタンプにセルビア側の“無効スタンプ”を押されただけ」という声もありますが、不要なトラブルを避けるためにも、やはりできることならセルビア→コソボの順で旅をした方が良いでしょう。

 

また、日本の大手旅行会社のツアーなどでも採用されている、セルビア・コソボ両国をより安全に移動するためのルートは、セルビアとコソボの2か国間を直接移動するというものではなく「モンテネグロやマケドニアなど、隣国の第三国にいったん出て、そのあとにセルビア(またはコソボ)に入る」という方法です。

 

セルビア=コソボ間の国境を避け、第三国を経由してゆけば、危険な地域を避けることもできますし、入国審査で心配する必要はありません。

 

以上安全なセルビアの旅のヒントになれば幸いです。

 

他にもぜひ在セルビア日本大使館のセルビア国内安全情報もご覧ください。