【クロアチアの通貨】2023年からユーロへ!どんな風に切り替わって行く?旅行者・在住者への影響は?

画像出典:HNB

 

みなさん、こんにちは!
早いもので、もう2022年も半ばですね。

 

少し前から当ブログ記事でもお伝えしているとおり、クロアチアではほぼコロナ以前の生活が戻り、欧米を中心に海外からの観光客も戻り、観光地は賑わっています。

 

もうすぐヨーロッパはサマーバケーションの季節。私のまわりでも「今年の夏はどこに泳ぎに行こう。。。」と、家族や友人たちが楽しそうに話しています。残念ながら、この夏も日本からクロアチアへ旅にいらっしゃる方はあまり多くないかもしれませんが、ヨーロッパにお住まいのみなさんの中には「今年の夏はクロアチアの海に泳ぎに行くよー!」と楽しみにされている方もいらっしゃるかもしれません。

 

いずれにせよ、この夏はクロアチア現地通貨『クーナ』が使える最後の夏になります。
・・・というのも、2023年1月1日より、クロアチアの通貨がついにユーロに切り替わることになりました!

 

 

クロアチアがEU(欧州連合)に加盟したのは今から約9年も前の2013年7月1日のこと。クロアチアにとって悲願だったEU加盟を果たしたものの、この9年間、通貨はユーロではなく、自国通貨のクロアチア・クーナ(HRK)が使用されてきました。

 

EU加盟当初から、私たちガイドは観光客のみなさんから「クロアチアではユーロは使えるんですか?」「えっ?EU加盟国なのにユーロ使えないんですか?いつからユーロが導入されるんですか?」と幾度となくご質問を頂戴してきましたが、ついにクロアチアでもユーロが導入されることになりました

 

これまで「クロアチアとあわせてイタリアやスロベニア、オーストリアなど、周辺諸(すべてユーロ通貨圏)国も旅する予定だから、クロアチアもユーロが使えたら両替しなくていいから便利なのに・・・」というようなお声も耳にしてきましたが、2023年以降はそんな悩みともおさらばですよ・・・!

 

クーナからユーロへの交換

ユーロ紙幣のデザイン

 

2023年1月1日の導入開始以降2週間のみ、クロアチアではクーナとユーロの両方が公式の支払い手段となりますが、それ以降はユーロのみの支払いに完全に切り替わります

 

そのため、私のようにクロアチアに住んでいる方はもちろん、「『また次クロアチアへ旅行に行く時までとっておこう!』と前回の旅の際に余ったクロアチア通貨を持っているんだけど。。。」という方は、2023年以降にクロアチアへお越しの際はユーロに交換する必要があります。

 

もうすぐクロアチア独自通貨『クーナ』ともお別れです…。

 

クロアチア政府の発表によると、2023年中はクロアチア国内の各銀行、クロアチア郵便局、金融庁(フィナ)で無料でクーナをユーロに交換できるとのこと。その後はクロアチア国立銀行で無料で交換できる予定です。(クロアチア国立銀行にてクーナ紙幣は無期限で、コインに関してはユーロ導入以降3年以内に限り交換を受け付ける予定とのことです)

 

なお、クロアチアの各銀行に預けているクーナ建ての預金は、自動的にユーロに変換されます。

 

私たちのようにクロアチアに住む人間にとっては、通貨が切り替わってしばらく経つまで、ちょっと面倒くさそうですが、(クロアチア政府によると)クロアチアの観光収入の約70%がEU圏から、また貿易に関しても約60%がEU圏からのものだそうなので、今後通貨がユーロに切り替わることにより、ビジネス・経済面では何かとメリットがありそうです。

 

このようにユーロ導入によるメリットも期待できそうですが、一方でデメリットを危惧する一般市民の声も。。。「スロベニアやイタリアなど、これまですでにユーロ通貨に切り替わった国では『ユーロに通貨が切り替わってから物価も上昇した。通貨が切り替わる時期には便乗して値上げしたお店などもある』なんてよく耳にする。最近ただでさえインフレを感じるのに、便乗値上げしてこれ以上物価が上がったらたまったもんじゃないよ…」なんて声もちらほら。

 

もちろん政府も便乗値上げを警戒していて、ユーロの導入を不当な値上げに悪用する者は、いわゆるブラックリストに載さられ、情報が公開される予定だそうです。

 

クーナとユーロの二重表示

 

クロアチア国内では2022年9月5日から2023年いっぱいまで、価格のクーナとユーロの二重表示がなされる予定です。(※2023年1月15日以降は支払いはユーロ通貨のみ)

 

クロアチア・ユーロ硬貨

ヨーロッパ各国の1ユーロコインたち。

 

ところで、みなさんはEU圏(ユーロ通貨導入国)を旅される際、ユーロ硬貨(コイン)のデザインをじっくりと観察したことはありますか?

 

ユーロ紙幣のデザインはユーロ圏内で統一されていますが、ユーロ硬貨は各国独自のデザインになっていて、クロアチアのユーロ硬貨のデザインも決定しています。(ユーロ硬貨は欧州中央銀行の管理のもと、各国政府の造幣局が発行してしています)

 

気になるクロアチアのユーロ硬貨のデザインは・・・

 

【1ユーロ硬貨: テン】

画像出典:HNB

 

1ユーロコインに刻まれるのは動物の「テン」。

 

「なんでテン?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、クロアチアにとってテンは非常に馴染みのある動物。クロアチア語でテンは「クーナ」と言います。

 

「あれ?クーナ!?クーナって、クロアチアの自国通貨だよね・・・?」と思ったそこのあなた!そう、その通りです!

 

2022年現在、クロアチアでまだ自国通貨として流通している「クーナ」ですが、その単位(クーナ)は、その名のとおり動物のテンが由来。その昔、クロアチアではテンの毛皮がお金のように使われていたという習慣があったことから、クロアチアの自国通貨が「クーナ」と名付けられたのです。

 

そんな「クーナ」ですが、2023年にユーロ通貨に切り替わるとサヨナラか・・・さみしいなぁ・・・と思っていたら、なんと1ユーロ硬貨になって、これからも私たちの側にいてくれるみたいです。よかった!

 

(以下、硬貨の写真は当記事冒頭の写真をご覧ください)

【2ユーロ硬貨:クロアチアの地図】

クロアチアの地図が刻まれます。

【50、20、10セント硬貨:ニコラ・テスラ】

クロアチア・スミリャン村にあるテスラの生家と銅像

 

50、20、10セント硬貨には、クロアチアのスミリャン村で生まれた天才科学者ニコラ・テスラが刻まれます。

 

クロアチアの人々が「エジソンをはるか超える偉大な発明家」と尊敬して止まない偉人。クロアチアでは知らない人はまずいませんが、(もっともっと称賛され、人々にその名が知られていてもいいはずなのに)世界的にはまだまだ知名度が低いテスラ・・・。

 

まさに「世界を照らす偉大な発明」をしたテスラのことを、ユーロ硬貨の肖像に採用されたことをきっかけに、これからもっと多くの人に知られるようになってほしいと願っています。(※ニコラ・テスラについて詳しくはこちらの記事をご覧ください)

 

【5、2、1セント硬貨:グラゴール文字】

スラヴ圏最古の文字である「グラゴール文字」が刻まれます。なお、グラゴール文字はキリル文字(ロシア語やセルビア語などで使われている文字)の原型になった文字と言われています。

 

これまで日本国内でクロアチアの自国通貨クーナには両替できなかったので「クロアチア旅行の際、現地のお金をどこで、どのタイミングで、どんな方法で両替しよう?」と悩む旅行者の方も多かったですが、ユーロ通貨に切り替わる2023年以降はそんな悩みも無用!これまでよりもさらにクロアチアへの旅が気楽になりそうですね!

 

それでは・・・!

 

(2022年6月12日公開 小坂井真美

 

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