【現地レポート】ザグレブ・クロアチア国立劇場の見学ツアーに参加してきました

 

先日、ザグレブの友達に誘われてクロアチア国立劇場の見学ツアーへ参加してきました。

 

「ザグレブには行ったけれど、外観のみの見学。建物の中には入ることができなかったので、内部がどんな様子なのか気になる!」という方も多いクロアチア国立劇場。

 

そんな方のために、今日はクロアチア国立劇場の内部の様子をお届けします!

 

国立劇場見学ツアー

クロアチア国立劇場の外観

 

 

まずはじめに・・・

 

お隣ハンガリー、ブダペストの国立劇場は「オペラ等を鑑賞する時間はないけれど、劇場内部の見学だけ楽しみたい」という観光客向けのツアーが定期的に行われており、(旅行会社等を通して)日本語でオンラインで気軽に申込みもできますが、クロアチア、ザグレブの国立劇場の見学ツアーへの申込みはちょっと手続きが煩雑。

 

国立劇場のスタッフさんのお話では、平日なら毎日朝の9時半から見学ツアーのアレンジ自体はできるそうですが、最低でも10名の参加が催行必須条件だとのこと。また見学ツアーを希望する方は、国立劇場に直接問い合わせをして、必ず事前予約する必要があるそうです。

 

そのため、残念ながら個人旅行でザグレブにお越しになる観光客の方が内部見学するのは難しいのが現状です。今回の見学はザグレブガイドの現地人の友達が、特別にアレンジしてくれました。

 

国立劇場内部、エントランス付近

 

スタッフさんによると「毎日見学ツアーに来るのは大抵、学校のカリキュラムの一環で訪れるクロアチアの子供たちがほとんど」とのこと。

 

私たちが訪れた日は、地元の小学生5年生の子供たちのために見学ツアーがアレンジされており、(私たちは2人だけなので)特別に一緒に見学させていただきました。

 

大勢の子供たちのうしろについて見学開始。子供たちは20人程度のグループに分けられ、それぞれ先生と劇場のスタッフさんに引率されていましたが、みんな元気いっぱい!「し~っ!静かにしなさい!」「はぐれないで!迷子になっちゃうわよ」と大人たちは大変そうでした(;´▽`A“

 

 

私たちはそのうちのひとつのグループにくっついて行ったのですが、一部の子供たちはアジア人である筆者に興味津々。「どっから来たの?中国?」「クロアチア語、話せる?」「(筆者の)写真、撮ってもいい?」と、ちょっぴり恥ずかしそうに話かけてくる子もちらほら。

 

無邪気な子供たちに癒されると同時に「断りもなく人の顔にカメラを向けて勝手に写真を撮る大人も多いのに、エライなあ~」と、子供たちのマナーにとっても感心しました。

 

19世紀のまま時を止めた劇場

 

つい少し話が逸れてしまいました・・・ここで、国立劇場の話に戻りたいと思います。

 

通称「HNK(クロアチア語で“ハー・エヌ・カー”)」としてザグレブの人々に愛されるクロアチア国立劇場。HNKとはHrvatsko narodno kazališteの略でクロアチア語で“クロアチア国立劇場”という意味です。

 

劇場の天井

 

この劇場が建てられたのは、ザグレブがオーストリア・ハンガリー帝国の支配下にあった19世紀のこと。1895年10月14日に当劇場の正式なオープニングセレモニーが行われました。

 

セレモニーには、当時のオーストリア皇帝であったフランツ・ヨーゼフ1世も出席されたのだとか(ちなみに・・・「エリザベート皇后」ならご存知の方が多いと思いますが、エリザベートはフランツ・ヨーゼフ1世の皇后です)

 

劇場のバルコニー

 

劇場のバルコニーに姿を現したフランツ・ヨーゼフ1世は、クロアチア各地から集まった群衆が見守る中、銀のハンマーでトンっと最後の一振りを打ち、国立劇場の完成をみんなでお祝いしたのだそう。

 

 

(↑上の写真)劇場内にはフランツ・ヨーゼフ1世が腰を掛けた特別席も残っています。

 

「皇帝が腰を掛けた特別席ならさぞかし良い席なのだろう・・・」と思ってしまいますが、実際はステージの様子が一部しか見えず、観劇には向かない席。

ヨーゼフ皇帝が腰を掛けたスペースからの景色

 

劇場スタッフのお姉さんのお話では「皇帝が観劇を楽しむためというよりも、劇場にいる一般市民たちにヨーゼフ皇帝の姿が見えるように、という意味合いが大きかったのです」なのだとか。

 

ヨーゼフ皇帝が腰を掛けたスペースからの景色

 

そのため、現在この席のチケットの販売は行われておらず、照明が置かれています。

 

 

ちなみに、この特別室のすぐ後ろ側には控室もあり、フランツ・ヨーゼフ1世はここに腰かけたのだとか(↑ 上の写真) 。

 

また近くには皇帝が利用したお手洗いも残っており、子供たちも興味深々の様子でした(↓ 下の写真)

 

模様が可愛らしい(!)お手洗い

 

小ぢんまりとしたクロアチア国立劇場ですが709席あり、120年以上経った今でも市民に愛されています。

 

長い歴史の中で2度改修が行われたそうですが、19世紀当時の姿をほとんどそのまま今に伝えられているのだとか。「修復が必要なところは、また同じように作り直され、当時の姿をずっと守り続けてきました」というスタッフのお姉さんのお話に、(一部の)子供たちも「すごいね~」と感動していました。

 

なお、今日でもバレエやオペラなどが上演されており、人気の演目のチケットを手に入れるために地元民が数時間待ちの列を成すこともあるほど!

 

今回、劇場見学ツアーに連れて行ってくれた友達と「今度はオペラかバレエを見に行こうね」と話しているのですが、友達が見たがっている演目のチケットも残りあとわずかなので、早めに日程を取り決めないといけません💦

 

観劇・チケットの購入方法は?

 

「ザグレブを訪れたら、クロアチア国立劇場で観劇してみたい!」という方は、次の方法でチケットを手に入れてください。

1. 現地(クロアチア国立劇場内にあるチケットオフィス)で直接購入

 

2.HNK(クロアチア国立劇場)の公式サイトから、オンライン購入する(スケジュールの確認も可能です)

 

⇒ サイトはこちら(英語)

ただし、1の場合は直近かつ人気のものは売り切れてしまっている可能性もあるので、可能であれば2をおすすめします。

【クロアチア国立劇場DATA】

 

■クロアチア国立劇場

 

住所:Trg Republike Hrvatske 15, 10000, Zagreb

 

公式HP(英語):https://www.hnk.hr/en/

 

地図(GoogleMap)

 

(※みなさまへのお願い)みなさまの貴重な時間を無駄にしないためにも、お願いがございます。当サイトではクロアチア旅行についての個人的なご質問はお受けしておりませんが、クロアチア国立劇場のチケットの手配のご依頼、劇場・各演目のスケジュール等に関するご質問等も同様にお受けしておりません。せっかくメールでお問い合わせを頂きましても、恐縮ではございますがご希望にお応えしかねます。恐れ入りますが、予めご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。(※クロアチア旅行の個人的なご質問に関しまして~みなさまへお願い~

 

(2018年11月17日 小坂井真美

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