【ザグレブ】拷問体験もできる?!恐怖の「拷問博物館」

来館者の注目を特に集めるという「鉄の処女」とトゲトゲの拷問椅子。実際に触ったり、座ったり、中に入ることができます。

来館者の注目を特に集めるという「鉄の処女」とトゲトゲの拷問椅子。実際に触ったり、座ったり、中に入ることができます。

 

規模こそは小さいものの、たくさんの博物館や美術館、ギャラリーがひしめくザグレブ。そんな中、ある博物館が今じわじわと注目を集めています。それは2015年夏にOPENしたばかりの”Museum of Torture(拷問博物館)”。

 

拷問道具が目印です

拷問道具が目印です

 

ザグレブの中心地であるイェラチッチ広場から徒歩わずか1分。トカルチチェバ通りに向かう道の途中に写真のような怪しげな立て看板が見えてきます。

 

階段を上がり、日本式の「2階」にあたるフロアに位置します

階段を上がり、日本式の「2階」にあたるフロアに位置します

 

看板の案内表示に従い階段を上ると、禍々しい大きな絵が描かれた壁がお出迎えしてくれます。おどろおどろしい雰囲気にドキドキしながら黒い扉を開けると、さらにドキリ!館内がとても暗いのです・・・!ですが、気さくで優しいスタッフのRenata(レナータ)さんが出迎えてくれほっと一安心することができました。

 

スタッフのレナータさん

スタッフのレナータさん

 

この博物館にはその名の通り、拷問に使われた様々な道具が展示されています。中世ヨーロッパで使われたものを中心に、約70点の展示物を見ることができます。レナータさんのお話しによると、すべてこの博物館のために中世の資料などを参考にして地元のアーティストが手作りしたレプリカ作品なのだとか。「レプリカでよかった・・・」とほっと胸をなでおろしたものの、やはりなんとも言えない空気が館内を漂っているように感じました。

 

豚などを象った辱め用のマスクから「ギロチン」や「鉄の処女」など、思わず目を背けたくなるような数々の拷問具がずらり。レプリカだとわかっていても、恐ろしい・・・!

 

ザグレブの歴史文書に記載されている拷問道具。中世に聖マルコ教会の前で処刑されたMatija Gubecの拷問に実際に使われたもののレプリカだそうです

ザグレブの歴史文書に記載されている拷問道具。中世に聖マルコ教会の前で処刑されたMatija Gubecの拷問に実際に使われたもののレプリカだそうです

 

この博物館が人気を集めている理由のひとつは、拷問器具に実際に手で触れたり“拷問体験”ができるという点なのです。一番人気なのは「鉄の処女」の中に入る体験なのだとか。それから、「鉄の処女」の横にあるトゲトゲがいっぱい付いた拷問椅子もなかなかの人気だそうですよ!

 

「鉄の処女」の中に入ったり、椅子に座ったりして記念撮影をして楽しむ来館者が多いのだとか。レナータさんに「あなたもどう?記念撮影」と笑顔で聞かれましたが、レプリカとはいえ、とても勇気がでなかった私は「いいえ、大丈夫です」と逃げてしまいました・・・。

 

6か国語対応のタブレット

6か国語対応のタブレット

 

チケット購入時に、上の写真のようなタブレットが手渡されるのですが(貸出無料)センサーにタブレットを近づけると、それぞれの道具がどのように用いられたのか、文章と音声で説明してくれます。(クロアチア語・英・西・仏・伊・独語対応。残念ながら日本語はありません)ひとつひとつじっくりと説明を読んだり聞いたりしながら見学すると、1時間ちょっとくらいかかりますが、あまり大きな規模の博物館ではないので、時間にあまり余裕のない方でも半時間あれば大丈夫です。

 

辱めのために使用されたマスク

辱めのために使用されたマスク

 

残酷なことやグロテスクなことには思わず目や耳を覆ってしまう筆者。今までは映画のワンシーンであってもそのようなものはできるだけ見ない(聞かない)ように避けてきましたが、今回この拷問博物館を訪れて「人間がどこまで残酷になれるのか」ということを思い知らされたような気がしました・・・。

 

拷問道具を見るだけでも結構な衝撃でしたが、現在でも世界のどこかで実際に行われているある拷問のショッキングな映像を目にした時は、なんとも表現しがたい暗い絶望的な気持ちに包まれました。

 

「少し前に当館を訪れた、旅人がこんなことを言っていました。その旅人は、今までも世界中の様々な“拷問”にまつわるスポットを巡ってきたらしいのですが、別に拷問好きマニアというわけではなく、“人間がどれだけ残虐になれるのかということを知ることにより、人々が共に平和に暮らす世界がどれだけ愛おしい世界であるのかをより実感することができる。僕はそう思うんです”って語ってくれたんです」とレナータさんが教えてくれました。

 

チケットカウンターでは、Tシャツ、ミニチュア模型、バッグ、マグネットなど、博物館オリジナルのグッズも販売されています

チケットカウンターでは、Tシャツ、ミニチュア模型、バッグ、マグネットなど、博物館オリジナルのグッズも販売されています

 

その言葉を聞いて、以前残酷な動画(映画ではなく本当の映像)を見ていたある知人に「見るに堪えない。そんなものを敢えて見ようとする人のことが理解できない」と思わず口にしてしまった筆者に「見たくないものを無理やり見ろとは言わないけれど・・・気分が悪くなるだけだしね。でも、これが世界の現実。人間の残酷な、醜い一面なんだよ。それから目を避けてばかりいてはいけない。そう僕は思うんだ」と返してくれた、ある人の言葉を思い出しました。

 

かなり衝撃的でマニアックな博物館。怖いもの見たさで友達同士で気軽に楽しむこともできる場所ですが、捉え方によってはかなりいろいろなことを考えさせられる博物館でもあります。

 

ザグレブで一味違った体験がしたい方は、足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

【DATA】

■拷問博物館(Muzeum of Torture)
住所:Tkalčićeva 13, 1st floor, Zagreb
Tel:+385 1 645 9803

 

開館時間:毎日11:00~19:00

※1月1日、11月1日、12月25日、イースターは休館日

12月24日・31日は11:00~15:00までOPEN
入場料:大人ひとり40KN

 

小坂井真美

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